小樽の灯りが見え始める時間になると、札幌圏からでも「あと一場所だけ寄りたい」と思わせるのが南防波堤です。近い、入りやすい、魚影も濃い。だからこそ、この堤防は油断した人から順番に雑な釣りになります。
長い堤防をどこまで歩くのか。
手前の段差帯をどうかわすのか。
夜にクロソイの気配が出ても、どこで帰るのか。
小樽南防波堤でアイナメを狙うなら、底を引く技術より先に、場所を分けて考える力が必要です。ここでは当メディアの旧現地ログと、小樽市・小樽海上保安部の公開情報を見直しながら、南防波堤をいまの目線で組み直します。
小樽南防波堤は、歩くほどゲームが変わる長い堤防

小樽市が2025年10月に公開した資料では、小樽港防波堤施設の一つとして南防波堤が挙げられています。つまりここは、ただの足場ではなく、小樽港の歴史を支えてきた一本です。現地で感じる独特の長さと存在感は、気のせいではありません。
当メディアの旧現地記事では、基部から先端までをおよそ818mと計測しています。駐車余地はある、JR小樽築港駅も近い。けれど、トイレは近くにない前提で組むべき場所で、歩き始めてから「あれを車に置いてきた」が一番きつい堤防でもあります。
| 先に見る項目 | 南防波堤での意味 | 釣行前の判断 |
|---|---|---|
| 歩く距離 | 先端まで行くほど戻りが重くなる | 今日は基部〜中盤で組むか、先端まで行くかを最初に決める |
| 外海側の波 | 同じ小樽でも、外海は別の顔になる | うねりや横風が強い日は無理に外海側へ寄せない |
| トイレ・飲み物 | 「あとで戻る」が釣りのリズムを壊す | 築港エリアで済ませてから堤防に入る |
| 帰り道 | 夜は段差や濡れた足元の怖さが増す | 明るいうちに戻りのラインを一度見ておく |
この堤防の良さは、車で寄りやすいのに、釣りそのものはしっかり考えさせてくるところです。雑に一投目を入れるより、5分だけ立ち止まって、どこまで歩くか、どこで折り返すかを決める。そこからやっと南防波堤らしい釣りが始まります。
アイナメは「底をなぞる」より「段差を越える瞬間」で食わせる

当メディアの過去ログでは、内湾側で40〜50cm級のアブラコが毎年出る年があり、外海側では大型ソイの実績も残っています。つまりこの場所は、単純に「遠投して底をずる引き」するだけの堤防ではありません。
特に覚えておきたいのが、根掛かりが決まりやすいのは手前ということ。旧記事でも、防波堤の足元近くは階段状の変化でスタックしやすいと整理されていました。ここを知らずに最後まで引き切ると、アイナメを探る前にリグを失います。
だから南防波堤のアイナメ狙いは、底を長く引くより、着底→少し浮かせる→岩に当てる→一拍止めるの繰り返しが合います。止めた瞬間、段差を越えた瞬間、壁際に沿った瞬間。食うのはその短い「間」であることが多いです。
- 最初の数投はテキサスリグかフリーリグで、底の荒さと回収しやすさを確かめる。
- 足元10m前後は根掛かり帯と考えて、手前まで来たら早めに浮かせて回収する。
- アイナメ狙いでも壁際を捨てない。 基部〜中盤は、外向きだけでなく内向きの壁際で反応差を見る。
- 先端だけに執着しない。 風と波が合わない日は、中盤の釣りを丁寧にした方がまとまる。
実際、この堤防は「歩いた人が勝つ」のではなく、変化を切り分けた人が勝つ場所です。基部側で人の入り方と風向きを見る。中盤で魚のレンジを確認する。先端は条件が揃った日だけ触る。この順番にした方が、アイナメ狙いの精度は一気に上がります。
そして、底で答えが出ないときに意外と効くのが「少し上」です。南防波堤は、アイナメだけを追っているつもりでも、途中でクロソイやシマゾイの回遊にぶつかる日があります。だからこそ、底一辺倒で固まらず、反応が薄ければ数投だけレンジを上げる柔らかさも残しておきたいです。
夜の南防波堤はクロソイの匂いがする。でも退路が見えない夜は入らない

春の小樽は、車を降りた瞬間の湿った冷気がまだ残ります。
港の灯りが海面に落ちて、今日は出そうだと錯覚する。
そういう夜ほど、先に見たいのは魚ではなく足元です。
2017年5月の旧釣行ログでは、チビガヤやシマゾイの反応が落ち着いた後、HAZEDONG 4inch ブラックを中層でダダ巻きして25upのクロソイが出ています。南防波堤は、夜になると底の釣り場から、ふっと中層の回遊が刺さる場所に変わることがあります。この変化が、ここに何度も通いたくなる理由です。
一方で、2017年6月の別ログでは、深夜1時台に波が高く、車も少ない中で、10gテキサスリグとパワーホッグでシマゾイは拾えたものの、波が収まらず撤収しています。ここで覚えておきたいのは、車が少ない夜ほど条件が良いとは限らないということです。むしろ、皆が入っていない夜は、それなりの理由があります。
- ヘッドライトと予備ライトを両方持つ。
- ライフジャケットは常時着用する。
- スマホは防水対策をして、落とさず触れる位置に入れる。
- 帰りに通る段差と濡れた場所を、明るいうちに一度見ておく。
- 波音が強くなったら魚より先に撤収判断をする。
小樽海上保安部は、釣りの注意事項として「ライフジャケットの常時着用」「防水対策を施した携帯電話の携行」「立入禁止場所へは入らない」「気象状況の把握」を挙げています。また、小樽管内では過去5年間で釣り中の事故者49名、うち海中転落37名という資料も出しています。南防波堤の夜が面白いのは事実ですが、面白さに寄りすぎると、この堤防は急に厳しくなります。
駐車・トイレ・混雑をどう組むかで、集中力が残る

南防波堤の強みは、札幌圏から入りやすく、JR小樽築港駅も近く、車でも電車でも来やすいことです。実際、過去記事でも駐車余地があり、車がない人でも入りやすい釣り場として紹介されていました。
ただ、その手軽さに対して、現地での釣りは意外と「段取り勝負」です。トイレがない前提で動く以上、コンビニや買い出し、飲み物、レインウェア、予備リーダーまで済ませてから入った方がいい。途中で車に戻るたびに、長い堤防では集中が切れます。
- 買い出しとトイレは築港エリアで済ませる。
- 最初から荷物を絞る。 「念のため」のボックスを減らした方が歩きやすい。
- 混雑日は無理に正面へ投げない。 サビキ、投げ釣り、ショアジギング客とレンジが重なる時間帯がある。
- 港内で工事や利用調整が動く前提で、釣行前に海保の海の安全情報と現地掲示を確認する。
海上保安庁の海の安全情報では、2025年10月公表情報として小樽港第2区の防波堤改良工事も案内されていました。南防波堤そのものの釣り可否を直接示す情報ではありませんが、小樽港内は工事や利用状況が更新されうるということです。「前に入れたから今日も同じ」は通用しません。最後は必ず現地看板と周辺状況を優先してください。
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