段ボールに釣具を放り込んだまま、数か月。ふたを開けた瞬間に、あぁこれは港で絶対に探し物をするやつだなと思いました。

タックルケースは、部屋で美しく並べるための箱ではありません。暗い港でワームを探す時間を減らす箱です。風が冷たい夜に、ジグヘッドがどこかへ行って、ガルプの液が不穏に香って、ライトの予備も見つからない。あの時間がいちばん嫌なんですよね。

この記事は2017年の古いタックルケース記事を、今の北海道港ロック目線で書き直したものです。写真の散らかり具合はそのまま残します。こういう箱、たぶん釣り人なら一度は通ります。

段ボールに放置していたロックフィッシュ用の釣具
でーん。釣具は増える。油断するとすぐ箱ではなく山になります。

港で困らない箱にする

  • 上段はすぐ触る物。ワーム、カッター、ペンチ。暗い港で手探りになる物ほど上です。
  • 中段はリグの部品。シンカー、ビーズ、フック、ジグヘッド。重さが混ざると現場で遅くなります。
  • 下段は漏れる物と予備。ガルプ、ライト、スペアリール。濡れて困る物とは離します。
  • 全部は入れない。その夜に投げ切れないワームまで詰めると、ケースが重いだけで判断も遅くなります。

まず、全部を持って行こうとしない

この頃の箱を見ると、気持ちはよく分かります。ワームもジグヘッドもビーズも、使うかもしれないから入れたい。予備リールまで入れたい。だけど港に着いてから本当に触る物は、そんなに多くありません。

初回の港ロックなら、ワームは一軍だけでいいです。泳がせるワーム、底で止めるワーム、匂いで押すワーム。この3つがあれば、だいたい釣りは始められます。迷ったら僕が頼ってきた港ロックワーム7選から箱へ戻す方が早いです。

空に近いタックルケース
空の箱を見ると何でも入れたくなる。でもここで欲張ると、港で迷います。
カッターナイフとラジオペンチ
ペンチとカッターは上。魚を外す時もラインを切る時も、探している余裕はありません。

カッターとペンチは安くても、上段に置く

当時の僕は百均のカッターとラジオペンチを入れていました。高級じゃなくてもいいです。使える物が、すぐ出る場所にあることの方が大事です。

ただし、錆びたペンチはきつい。魚の口からフックを外す時に開かない、ラインを切れない、スプリットリングを触れない。そうなると釣りが止まります。安い物を使うなら、帰ってから水気を拭く。これだけでかなり違います。

ガルプは別容器。漏れたら車内が終わる

知る人ぞ知るナルゲン。液だれしにくい容器として、当時の僕はガルプ液漬けワームをここへ入れていました。これはかなり現実的な工夫です。

ガルプは釣れる。だけど漏れると本当にきつい。ケースの中だけで済めばまだいいですが、バッグや車内へ広がると帰り道のテンションが消えます。匂い系ワームは、他のワームやライトと同じ場所へ雑に入れない方がいいです。

ガルプ液を入れるための小型ボトル
匂い系ワームは別容器。釣れるけど、漏れた時の破壊力も強いです。

ジグヘッドは重さで迷わないようにする

写真にはロングシャンクの14gと3.5gが出てきます。14gは手前が根だらけの時や、少し飛ばしたい時に強い。3.5gは港内の小場所、常夜灯まわり、浅い壁際で使いやすい。どちらも出番はあります。

問題は、重さが混ざった時です。夜に小さいジグヘッドを探すのは地味に疲れます。ワームの袋より、ジグヘッドの重さが分からない方が釣りが止まります。軽い物、港内用、重め。この3つだけでも分けておくとかなり楽です。

14gのロングシャンクジグヘッド
重めは強い。でも軽い港内用と混ぜると、夜に探しにくい。
3.5gのロングシャンクジグヘッド
軽めは港内で使いやすい。小場所用としてすぐ出る場所へ。

テキサスリグの部品は小さい箱へ寄せる

ビーズ、シンカー、フック。テキサスリグの部品は小さいうえに、落とすと見つかりません。風がある夜に赤いビーズを地面へ落とした時の虚無感、かなりあります。

根掛かりが多い港なら、ワームよりリグの組み替えが大事になる日があります。フックで迷うならオフセットフックの選び方、底を触りたいならテキサスリグの基本を先に読んでおくと、箱の中身も決めやすいです。

テキサスリグ用の赤いビーズ
ビーズやシンカーは小箱へ。袋のまま散らばると、現場で一気に面倒になります。

予備リールより、ライトと帰り道を優先する

当時の箱には小型の予備リールも入れていました。気持ちは分かります。リールが完全に壊れた時の保険です。でも港ロックで本当に忘れると痛いのは、リールよりライトです。

夜の港でライトが弱いと、魚より先に足元が怖くなります。予備リールを入れるなら、ヘッドライト、予備電池、防水スマホケースも同じくらい重く見た方がいい。札幌から日帰りで荷物を減らすなら、日帰り装備の優先順位夜ロックの帰り道が効きます。

完成した箱。でも釣具はまだ残る

写真では上段にエギとワーム、カッター。中段にブラー、ペンチ、ライター、テキサスリグのシンカー系。下段にシンカー、ジグヘッド、リグ。一番下にガルプ、ワーム、ヘッドライト、リールを詰めています。

はい、よくできました。……と言いたいところですが、実はまだまだ釣具が残っています。ガルプはあと3瓶、ワームは無数。実家の分まで合わせたら、たぶん釣り部屋ができます。

釣具を詰めたタックルケース
一箱に入ったように見えても、まだ釣具は残る。釣り人の部屋はだいたいこうなります。

だから、箱を作る時は「全部入ったか」ではなく「港で投げ始められるか」で見ます。ワームが多いなら強いシルエットの日のデプス万能寄りのゲーリー小さく食わせるレインズのように、役割で減らした方が箱が軽くなります。

買い足す前に、箱の穴を見る

ワームだけ増えて、フックが合っていない。ジグヘッドはあるのにラインが弱い。ライトが古い。こういう箱は港で止まります。買い足すなら、派手なワームより先に足りない役割を埋めた方が釣りが楽です。

港へ出る前に見るもの

箱ができても、海が荒れていたら行かない。夜に足元が見えないなら奥へ入らない。ここはタックル以前です。出る前に気象庁の警報・注意報海上保安庁の釣り安全情報を見る癖を付けると、箱の中身より大事な失敗を減らせます。

タックルケースは、釣りの性格が出ます。ワームを増やす人、工具を増やす人、ライトを増やす人。どれも間違いではないです。ただ、港でふたを開けて5秒で一投目に入れない箱は、少しだけ詰めすぎです。